田舎地方公務員の省庁出向サバイバル日記

令和3年度(2021年)に某省へ1年間出向した田舎地方公務員の日記です

出向者29

本省出向から戻ってきたばかりの職員は、「本省出向を乗り切ったのだから激務耐性がついただろう」と思われているのか、財政課や企画課のような忙しい部署に配属され、さらに部署内でもどんどん仕事を振られがちです。

 

その結果、出向翌年(自治体に戻った後の1年目)にダウンする職員がけっこういます。

現に、私が現在出向している課で昨年度勤務していた某県庁職員の方が、今年の夏前にダウンして、現在も休職しています。

 

これまで何度も触れているとおり、出向中は主に事務作業に専念します。

正確かつ素早く大量に、人から教わることなく過去資料を紐解いて事務作業をこなすことが求められ、これはこれで忙しいです。

 

一方、自治体に戻った後は、こういう仕事とは全然異なる、組織内調整で忙しい部署に配属されがちです。

 

つまるところ、忙しさの種類が全然違うのです。

 

「長時間作業できる」という意味での激務耐性は、本省出向を乗り切ることで確かに培われるでしょう。

しかし、「高度な組織内調整をこなせる」という意味での激務耐性、いわば感情労働的激務への耐性は、本省出向では全然磨かれないし、測定できもしません。

 

「出向経験者」という肩書きが過大評価されているために、能力と職務のミスマッチが頻発しているのでは?と思えてなりません。