田舎地方公務員の省庁出向サバイバル日記

令和3年度(2021年)に某省へ1年間出向した田舎地方公務員の日記です

2021-10-01から1ヶ月間の記事一覧

出向者23

本省プロパー職員の方々は爽やかな細マッチョなのに対し、自治体からの出向者はあからさまに不健康になってきました。 4月に本省勤務をスタートしてから半年分の不規則な生活が、見た目に現れてきているのでしょう。 同じ課の出向者は、明らかにお腹が出て…

官僚11

私のわかる範囲では、少なくとも本省勤務のプロパー職員の方々は、ほぼ皆さん土日に何かしらの運動をしています。 新型コロナウイルス感染症が流行る前はジム通いが当たり前で、単なる筋トレだけでなく泳ぐ人がかなり多かったらしいのですが、ジムは感染リス…

官僚10

本省勤務を始めて驚いたことの一つに、太っている人が全然いない点があります。 みなさん痩せ型です。 ただし、ひょろひょろで青白い俗にいう「もやし体系」ではなく、「細マッチョ」と形容するのがふさわしいような、健康的な痩せ方をしています。 本省勤務…

官僚9

つまるところ 総合職は民間企業へ転職する 一般職は地方公務員に転職する という傾向があるわけです。 これを踏まえて考えてみると、総合職・一般職がそれぞれ何を求めて本省を離れていくのかが見えてきます。 総合職の場合は、さらなる待遇とやりがいを求め…

官僚8

一般職採用の職員の場合、転職先は地方公務員が圧倒的に多いです。 一番人気は東京都庁、ついで関東の政令市、残りは出身地の自治体……といった順列があり、なるべく関東圏から離れずに地方公務員を目指すようです。 国家公務員から地方公務員に転職する場合…

官僚7

まず、総合職採用の職員が転職する場合から見ていきます。 総合職の場合は民間企業への転職が圧倒的に多いです。 近年は特にコンサル業界が多いほか、退職後に公認会計士などの難関資格を取得して専門職として大手企業に入社するケースも多いようです。 コン…

官僚6

「若手官僚の離職が増えている」という話題は、最近は全国ニュースでも取り上げられるようになっています。 私もかなり関心を持っており、出向して実態を見るのが楽しみでもありました。 実際のところ、地方公務員よりもかなり離職者は多いですし、ここ数年…

出向者22

学生時代を東京で過ごし地元自治体にUターン就職した人も、自治体に戻らず東京に残留しがちなタイプです。 東京生活を一度経験してしまうと、地方暮らしはどこか物足りなく感じます。 「地方創生」というキャッチフレーズは定着しましたが、実際は全く「創生…

出向者21

未婚女性が出向する場合、玉の輿結婚を決めて自治体を退職するケースもあります。 東京には、地方とは比べ物にならないほど、高ステータスの男性がごまんといます。 うまくパートナーを見つけられれば、地方公務員人生よりもずっとハイグレードな人生を手に…

出向者20

出向者の退職は、税金の使途としても痛手です。 普通の職員は自治体運営のために働いており、その給料は自治体運営のためのコスト、つまりは市民サービスのために使われます。 一方、出向者の労働の成果は、あくまでも本省に帰属します。 出向者がどれだけ働…

出向者19

出向者どうしのカップルが成立し、結婚まで到達した場合、たまたま近隣自治体から出向してきた場合を除けば、どちらかが自治体職員を辞めなければいけません。 私が知っている範囲では、女性のほうが辞めるケースが多いです。 出向者・出向経験者の退職は、…

出向者18

出向者どうしでカップルが成立するというケースも度々あります。 今のようなコロナ禍でさえなければ、同じ省内・局内の出向者どうしのランチや飲み会がたくさん開かれますし、省庁の壁を超えた出向者どうしの交流イベントもあったりします。 地元を離れて友…

出向者17

自治体からの出向者には、未婚者も既婚者もどちらもいます。 民間企業だと「家を立てたやつは遠くに転勤させる」という習わしがあるとよく聞きますが、地方公務員の本省出向にはそういう傾向は特になく、未婚者も既婚者も出向します。 既婚者の場合、お子さ…

自治体9

同じ公務員であっても、本省勤務の国家公務員と地方公務員では、結婚のあり方が全然違います。 本省勤務職員の場合、これまで紹介してきたとおり、パートナーは家事に専念せざるを得ない状況です。夫婦ともにフルタイム勤務は相当厳しいでしょう。 一方、地…

官僚5

独身の若手職員は、どうやらデートの段取りにいつも苦労しているようです。 本省勤務は多忙かつ想定外の事態が多々発生します。 休日にいきなり仕事が入ることもありますし、年休を取得する予定だったのに突然事件が発生して休めなくなる……なんてケースもざ…

官僚4

本省勤務の男性が既婚者ばかりな一方で、女性は独身者のほうが圧倒的に多いです。 というよりも、私が勤務している局には、プロパー職員の既婚女性が一人もいません。 未婚者がほとんどいない男性とは対照的です。 先日の記事でも触れましたが、本省の勤務は…

在宅勤務12

緊急事態宣言が解除されて、かつ私の担当業務も繁忙期に入ってきたので、10月になってからは出勤日数がかなり増えています。 在宅勤務ばかりだと本ブログのネタが枯渇してしまうので、出勤できるのはありがたいのですが、在宅勤務ならではのメリットをもう…

官僚3

「国家公務員男性は婚活市場でモテる」という話も良く耳にします。 特に専業主婦志望の女性からは、かなりの人気のようです。 国家公務員(特に総合職採用)は、一生涯にわたって仕事が忙しいです。 そのため、家庭に参画するのが難しく、家事も育児も妻に任…

官僚2

本省の男性職員の既婚率の高さには、色々な原因があるのだろうと思われます。 私が個人的に濃厚だと思っている理由は、「既婚でないと本省の激務に耐えられない」説です。 本省は深夜残業が続くハードな職場です。 食事をはじめ、家事面を独力でこなすのは非…

官僚1

地方公務員は若いうちに結婚する人が多いです。 特に男性は早く、大卒だとだいたい25歳に第一のピークがきて3割結婚、28〜29歳で第二のピークがきてさらに3割結婚…という感じです。 女性の場合は目立ったピークはありませんが、20代後半に次々と結…

職場環境9

エリート社会人にとってエクセルは必須ツール……というのが一般常識ですが、本省の場合は少し異なります。 霞が関におけるエリートである「総合職採用」にとって、エクセルはもちろん重要なツールですが、自らエクセルを使って作業するわけではありません。 …

職場環境8

一太郎が必須である「法制執務」を担当するのは、基本的に若手の総合職採用の職員です。 自治体であれば各課に「庶務担当」がいるように、本省では各課に「法制執務担当」が配置されています。 総合職採用の職員は、誰もがいきなり法制執務担当に任命される…

職場環境7

どうしても一太郎を使わなければいけない業務。 それは法制執務です。 法令や官報関係の文書には、縦書きのものが多いです。 中には上下二段に分かれていたり、ルートや階乗を使う複雑な計算式を縦書きで入れる必要があったり……と、面倒な文書もたくさんあり…

職場環境6

半年間にわたり実際に本省で仕事をしてみると、想像以上に一太郎が現役で使われていました。 中には「一太郎でしかできない」仕事もたくさんありました。 しかし、自治体向けに発出する通知文や照会では、一太郎を使い続ける意味はありません。 ほとんどのケ…

職場環境5

多くの市民は「役所はどうして一太郎を使い続けているのか?」と怪訝に思っています。 「時代遅れだ!」「ワードで事足りるのにわざわざ一太郎まで購入するのは税金の無駄遣いだ!」というお叱りの声も多々頂戴します。 同じように自治体職員は、「なぜ国は…

職位23

一般職採用の職員でも、課長補佐級の「〇〇官」に着任するケースもあります。 一般職が座る「〇〇官」ポストがある、と表現したほうが正確かもしれません。 課長補佐級は、一般職採用の職員の最終到達点であり、中でも課長補佐級の「〇〇官」は、一般職採用…

職位22

課長補佐級の「〇〇官」は、準管理職的なポジションです。 係長以下に具体的な作業指示を出し、その成果を課長以上や議員に対して説明するという、いわば実務担当と意思決定担当との橋渡し役です。 立場的には「ラインの補佐」とかなり近いと思われます。 加…

職位21

本省の役職には、事務官のほかにも「〇〇官」がたくさんいます。 パッと思いつくだけでも 審議官 参事官 調整官 調査官 管理官 企画官 理事官 専門官 これくらいはいます。 この大勢いる「〇〇官」の扱いに、自治体職員はいつも悩まされています。 事務次官…

職位20

「庁」に所属する事務官の場合、肩書きは基本的に「庁の大元にある省名+事務官」になります。 例えば中小企業庁の場合は「経済産業事務官」であり、庁名をとって「中小企業事務官」とはなりません。 林野庁の場合は「農林水産事務官」で、「林野事務官」で…

職位19

国家公務員組織の一番下っ端である「事務官」は、厳密にいうと省庁ごとに名称が異なります。 正確な名称は「省庁名+事務官」です。 例えば厚生労働省だと「厚生労働事務官」、国土交通省だと「国土交通事務官」です。 下っ端であることには変わりないものの…