田舎地方公務員の省庁出向サバイバル日記

令和3年度(2021年)に某省へ1年間出向した田舎地方公務員の日記です

出向者28

出向から戻ってきたばかりの職員を財政課や企画課のような高度内部調整部門にばかり配置する傾向には、「本省勤務で培った能力が活かせない」という点以外にも、デメリットがあります。

 

内部調整は、その名のとおり、組織のローカルルールに従ってなされるものです。

ローカルルールの中には、世間一般では通用しない屁理屈や、慣習しか根拠がない不合理な運用が混ざっているものですが、組織の一員として働いているうちに馴染んでしまい、違和感を持てなくなります。

 

悪習と化したローカルルールを打ち破れるのは、外部の知見しかありません。

 

出向経験者は、短いながらも本省という「外部」で働くことで、「外部の知見」を身につけた、役所内では貴重な存在です。

こういう存在が改めてローカルルールを眺めたときに、改善が始まります。

 

しかし実際は、出向戻りの職員を高度内部調整部門、つまりローカルルールを運用する(維持強化)する側の立場に配置されています。

結果として、組織を変えるポテンシャルを持った人材を埋没させているのです。