田舎地方公務員の省庁出向サバイバル日記

令和3年度(2021年)に某省へ1年間出向した田舎地方公務員の日記です

2021-01-01から1年間の記事一覧

総括10

2021年も本日で終わりです。 今から思い返せば、とにかく長い一年でした。 従来の生活よりも活動時間が長い(=睡眠時間が少ない)ので、長く感じて当たり前なのでしょう。 しかしながら、思い出らしい思い出というか、ほかの人に紹介できるようなエピソ…

勤怠9

師走という言葉のとおり、年末ななんだかんだで忙しいです。 本省も同様で、12月の後半からは雰囲気がせわしなくなりますし、職場内を実際に走り回る人が増えます。 12月といえば、若い人にとっては「クリスマス」の印象が強いでしょう。 今年はイブが金…

業務39

どれだけ兼務を命じられようとも大して業務量が増えない自治体とは反対に、本省の兼務事例は仕事が倍増します。 「なんちゃって」ポストは存在せず、本当に機能しているポストを兼務させられるのです。 兼務辞令が発せられると、単純に業務量が倍になるので…

自治体11

自治体の人事では「兼務」という状況がよく起こります。 特に管理職に多いです。 これは、職員数が今よりもっと多かった時代に、高齢期の職員をなんとか管理職に引き上げるために乱造された「なんちゃって管理職」のポストが残っているせいです。 今は職員数…

給与9

同じ年齢・同じ公務員経験年数で、田舎の地方公務員と本省職員を比較すると、圧倒的に本省職員のほうが稼いでいます。 基本給は変わりませんが、地域手当と残業代が違いすぎます。 地域手当は、本省勤務だと、最上位の20%が適用されます。 田舎だと県庁所在…

給与8

世間では「公務員は高級取り」というイメージがいまだに強いです。 中でも本省職員となると「高級官僚」という通り名のとおり、金銭欲と権力欲の化身のような存在だと思われがちです。 実際のところ、地方公務員の給与はそれほど高くはありません。 他のブロ…

給与7

公務員は副業が禁止されており、収入は基本的に給与しかありません。 そのため、確定申告する人はごく稀(株式投資をやっている人が損失を繰り越すときくらい?)で、年末調整だけで事足ります。 私の自治体だと、年末調整は全て紙ベースで行っていました。 …

給与6

地方公務員であれ国家公務員であれ、サラリーマンである以上、年末調整をしなければいけません。 制度を作っている側の人間であるとはいえ、面倒なものは面倒です。 今年もぶつくさ言いながら、提出期限ギリギリで済ませました。 やはり面倒で後回しにしてし…

業務38

昨日のエントリでも触れましたが、上司が出張する際、交通手段や宿泊場所の手配は、部下の事務官が行います。 ここまでは自治体と変わりありません。 本省の大きな特徴は、手配した事務官が一旦代金を建て替えるケースが多いところです。 確かに、旅費関係の…

業務37

上司が出張することになったら、部下は色々な準備業務に追われます。 最初に発生するのは交通手段の手配です。 新幹線であれ飛行機であれ、チケットを手配するのは基本的に事務官の仕事です。 宿泊付き出張の場合は、ホテルも手配します。 新型コロナウイル…

業務36

民間企業とは異なり、公務員界隈には「仕事用携帯電話」という概念がありません。 国家公務員であれ地方公務員であれ、皆さん私物の携帯電話を仕事にも使っています。 上司とLINEで友達になるのは当たり前ですし、観光課のような外部の人とのやりとりが多い…

官僚15

日本のスマホのシェアを見ると、だいたいAndroidとiOSが半々くらいらしいです。 私くらいの世代だとちょうどそんな感じで、もっと若い世代はiOS派が多く、もっと年上はAndroid派が多い印象です。 本省勤務のプロパー職員の方々は、明らかにAndroidユーザーが…

業務36

厳密には「霞が関用語」ではありませんが、印刷関係の業界用語にも注意が必要です。 色々な冊子類の原稿作成も、本省の重要な仕事です。 本省では、自治体でも使っている「〇〇の手引き」のような小冊子や、「●●白書」のような年報など、様々な印刷物を発行…

業務35

プロパー職員の方々にとって、「霞が関用語」は日常の一部です。 知っていて当たり前ですし、そもそも馴染みすぎて、自分たちが「霞が関用語」と呼ばれる独特なボキャブラリーを用いているという認識が消失しているかもしれません。 そのため出向者は、着任…

業務34

「マンデート」という霞が関用語……というか概念にも留意が必要です。 「マンデート」とは、簡単にいうと、「権限委譲されている状態」を指します。 「裁量がある状態」ともいえるでしょう。 例えば、 他課からの情報提供依頼は基本的に係長に確認してから返…

業務51

ただし、繁忙期は紙を浪費しまくります。 あらゆる資料をあらかじめ印刷して準備しておかないと、上司からのオーダーに応えられないからです。 繁忙期の業務は、課内だけでは完結しません。 局長だったり事務次官だったり、さらに上の職位の方々との調整が入…

業務33

トラブルになる前にプロパー職員の方に真意を教えてもらえたので何を逃れましたが、「ライン/スタッフ」という単語にも悩まされました。 「ライン/スタッフ」といえば、経営学の用語が真っ先に思い浮かぶ方のほうが多数派だと思います。 製造業でいえば、…

業務32

「霞が関用語」に関して、私も実際に落とし穴にハマってしまいました。 私を陥れたのは、「レク」です。 「レク」は「レクチャー」の略で、「何かを教える」という意味で日常的に用いる単語です。 しかし霞が関においては、 資料に基づいて目上の人に説明す…

業務31

「霞が関用語」には、大別すると2つのタイプがあります。 一つは、霞が関でしか使われていない独自の単語です。 「割りモメ」あたりが典型です。 今となっては役所界隈で広く使われている「ポンチ絵」も、元はこのカテゴリーの霞が関用語だったのでしょう。…

業務30

公務員であれば誰であれ「霞が関用語」という用語を聞いたことがあるでしょう。 最近は報道などでもよく使われる表現なので、もはや公務員でなくても広く知れ渡っているかもしれません。 実際に霞が関で働いてみて、私が想像していた以上に、独特の用語群が…

職場生活8

本省内の飲料事情は、昨日のエントリのとおりペットボトルの水またはお茶が圧倒的多数派を占めています。 この他に目立つのは、健康飲料です。 「ヤクルト」や「B-1」のようなプラパックに入った乳酸菌飲料 300ml前後の中型パック入りのプロテイン飲料 紙パ…

職場生活7

本省ではそもそも、エナジードリンクに限らず、缶飲料を飲んでいる人が全然いません。 ほとんどの方がペットボトル飲料を愛飲しています。 中身は水が最大派閥で、ついでお茶。 清涼飲料水やコーヒー類を飲んでいる方はごくわずかです。 思うに、この傾向に…

職場生活6

社会人であれば、仕事が忙しいときにエナジードリンクに頼ることが少なからずあるでしょう。 私にはカフェインが強すぎるのか、飲むと動悸のような心臓の違和感を感じるので飲みませんが、コンビニに行けば色んな種類のエナジードリンクが大量にストックされ…

職場環境15

人口密度が高いおかげで、冬なのに職場はすごく暖かいです。 (その分、夏場はものすごく暑かったことでしょう。幸いにも在宅勤務だったので私は何を逃れましたが……) 朝は少し冷えるものの、昼前には上着もニット類も要らなくなります。 むしろセーターを着…

職場環境14

毎日きちんと出勤するようになってから、職場の人口密度の高さを痛感しています。 「酸素が薄い」とすら感じる瞬間もあるくらいです。 テレワークして間引かないと、即クラスターだったでしょう。 自治体の執務スペースもかなり狭くて人口密度が高いとは思い…

装具22

多くの行政機関では5月から10月を「クールビズ期間」と位置付けており、男性職員はこの期間はネクタイ着用が免除されます。 自治体の場合、「ネクタイを締めていない」ことが即座にクレームの種にもなることから、この期間は極めて厳格に運用されます。 …

装具21

本省の職員はグレースーツが少ない一方で、ブルー系のスーツの方がかなり多いです。 若手プロパー職員だと、リクルートスーツよりも明るいブルーだったり、ストライプが入っていたり……といった、結構派手目なスーツを着ている職員もちらほら見かけます。 ブ…

装具20

朝の霞ケ関駅の降車客を見ていると、明らかにグレー系のスーツを着ている人が少ないです。 ほとんどいないと言っても間違いではありません。 自治体だと、特に若い職員の間で明るめのグレースーツを着ている人が多いです。 特に、広報や観光のようなポジティ…

装具19

「日本の四季はもはや無い、あるのは二季だけ」などと揶揄されるとおり、今年も急に寒くなりました。 東京の冬は乾燥しますね。11月頃から保湿クリームが欠かせません。 私はけっこう寒がりなので、早くもニットを着用していますし、職場には膝掛けを持ち…

出向者25

本省勤務のプロパー職員には高い能力が求められます。 公務員の能力というものは、本や研修で身につけられるものではなく、実務を通して養っていく類のものです。 つまり本省勤務とは、プロパー職員にとって、毎日が修行の場でもあります。 ひたむきに日々の…