田舎地方公務員の省庁出向サバイバル日記

令和3年度(2021年)に某省へ1年間出向した田舎地方公務員の日記です

2022-02-01から1ヶ月間の記事一覧

官僚21

新型コロナウイルスのオミクロン株は、症状は重くならないものの感染力が非常に強く、感染者数はなかなかピークアウトしません。 報道で取り上げられているとおり、新型コロナウイルスのクラスターが発生したせいで学校が休みになり、子どもの面倒を見るため…

業務78

深夜残業ばかりが取り沙汰される国会対応業務ですが、実は朝もかなり早くから始業しなければいけません。 国会は、テレビ中継が始まる前から、もろもろの準備がスタートしています。 そのため、職員はだいたい8:30までには出勤しなければいけません。 本省の…

業務77

省庁間や部局間での答弁の押し付け合い(割り揉め)も、たびたび発生します。 この点も自治体と同じです。 自発的に答弁を書きたがる部局は存在しません。なるべく少ない方がいいに決まっています。 自治体であれば、質問通告から本番まで時間に余裕があるの…

業務76

各課で作成する答弁資料は、自治体と同じく、答弁本体と参考資料のセットです。 問の内容次第では、1問につき10ページを超えることもざらにあります。 とんでもない量の答弁資料作成を可能にしているのは、参考資料のモジュール化と過去答弁のデータベー…

業務75

よく「野党の質問通告が遅いから官僚の残業が増えている」という指摘がなされていますが、実際のところ通告が遅いのは野党議員だけではありません。 野党でも早い議員はいますし、与党でも遅い人はいます。 レクで半日以上も職員を拘束しておいて、さんざん…

業務74

国会質疑では議員あたりの持ち時間が決まっており、事前通告された問が全て実際に問われるとは限りません。 私の体感では、通告した分のうち、実際に問われるのは7割くらいだと思います。 「通告したのに問われない問の割合」も、自治体議会と国会の大きな…

業務73

国会対応の全般的な流れは、自治体の議会対応と大差ありません。 登壇日が近くなると議員からレク要求があり、登壇前日までに質問取り(問取り)が行われたり通告があったりして問が確定、そして前日のうちに答弁をセットします。 ただし、分量とスピード感…

業務72

私の担当業務は、1月半ばの幹部報告をもって終了します。 ここから先は、主に他の職員のお手伝い、主に国会関係の雑用が私の仕事です。 今年の通常国会は初っ端から大荒れでした。 国土交通省の建設受注統計の書き換えと、各省の国会提出資料のミスという、…

住居12

出向生活も終わりが見えてきたので、ぼちぼち荷造りを始めています。 とはいえ一旦実家に全部送りつけるだけなので、それほどの作業量はありません。 このブログの序盤で紹介したとおり、私の部屋は「どうせ1年で引き上げるから」という前提で、かなり簡素…

出向者33

つい先日、同じ課にいる某県庁からの出向者に、内示が出ました。 出身元人事課から携帯に電話がかかってきて、少し席を外したかと思ったら……ただならぬ表情で戻ってきたので、一堂皆「察し」ました。 彼の4月1日からの異動先は……保健所です。 新型コロナウ…

官僚20

自治体職員は出先機関が大好きです。というか本庁が嫌いすぎます。 人事異動の話題になると、誰もが「出先機関に行きたい」と口にするものです。 私だって行きたいです。だって本庁より楽ですから。 本省職員も、出先機関に異動する可能性は大いにあります。…

官僚19

どのポストに座っているか次第で人事評価の良し悪しがすぐわかるために、プロパー職員の方々の異動に対する心境は、自治体職員よりも複雑なようです。 自治体職員の場合、よほどの閑職やエリートコースを除き、ポスト間の優劣はありません。 いわばポストに…

官僚18

今年は年末年始に帰省しなかったこともあり、年賀状は1通もやりとりしませんでした。 むしろつい最近まで年賀状という文化の存在すら完全に忘れていました。 本省内では年賀状が全く話題にならないからです。 私の自治体では、職員間の年賀状のやりとりは禁…

官僚17

これまでも何度か紹介しているとおり、本省では、同じ役職でもランクが分かれています。 同じ「事務官」や「主査」、「係長」という職名であっても、新人とベテランは明確に区別され、それぞれ異なるポストが与えられます。 さらに本省は、ポストの間にも格…

官僚16

1月中旬頃から、プロパー職員の方々の4月1日付け人事異動の噂がちらほら聞こえ始めました。 自治体よりもかなり早い到来です。国家公務員は全国転勤を伴うので、人事異動情報の公式発表のタイミングも自治体より早い分、噂が出回るのも早いのでしょうか。…

業務71

繁忙期にイライラムードが漂うのは、本省特有の事情ではありません。 発生頻度が少ないだけで自治体でも同様ですし、民間企業でもそうでしょうし、思い返せば学生時代の文化祭準備の頃からこんな感じでした。 忙しくなってくると誰かがイライラし始めて、そ…

業務70

繁忙期のイライラ具合は、完全に人それぞれです。 立場には関係なく、その人の個性が出ます。 プロパーも出向者も関係ありません。 同僚にも部下にも、さらには上司に対しても当たり散らす、まさに360度全方位攻撃を展開する人もいれば、人ではなくモノに…

業務69

繁忙期は誰しも攻撃的になりがちです。 程度は人それぞれですが、普段は穏やかな人であっても、月残業時間が80時間を超えたあたりからは、少なからず刺々しくなります。 思うに、残業が続くと睡眠や栄養が不足してきて、一時的に生命の危機に近い状態に陥…

出向者32

私の出向期間も残り2ヶ月を切り、佳境を迎えているところなのですが、ここへきて少々ピンチに見舞われています。 手元の現金が枯渇しそうです。 出向者のうち研修生は、出向期間中も出身元自治体から給与が支払われます。 自治体勤務時代と同じです。 地方…

業務68

自治体ではお馴染みの、特段要件も言わずに「課長を出せ」と怒鳴りまくるタイプの電話ですが、本省にもたびたびかかってきます。 もちろん課長につなぐわけありませんし、係長はおろかプロパー事務官にすら絶対に回しません。 こういう電話をあしらうために…

業務67

外線電話を受けていると、省庁OBからの電話もたびたびかかってきます。 名前だけ名乗って「課長いる?」みたいにフランクに話してくるので、すぐにOBだなとわかるのですが、意図的にOB風を装う営業電話やクレーマーも少なくないので、こういう相手はどうして…

業務66

ここまでの一連のエントリで書いてきたとおり、基本的に地方からかかってくる電話は出向者が処理します。 地方議員は全員出向者対応、自治体職員であれば少なくとも課長以上でないとプロパー職員には対応させないのが原則です。 唯一の例外はマスコミです。 …

業務65

「縦割り行政」という批判がいつ頃から始まったのか、勉強不足で私は知りません。 少なくとも私が中学校の頃の社会科(公民)の授業で、「縦割り行政の弊害」という単語が登場していた記憶は薄らながらあります。 電話対応においては、縦割り行政を徹底しま…

業務64

電話対応において私が一番面倒だと思ったのは、士業の方々です。 士業の方々は、たいてい高圧的で攻撃的です。 制度の運用について説明してくれと要求してきているにもかかわらず、こちらの説明に対して「国はそういう思想なんだろうけど実態とはずれている…

業務63

市町村議会の議員、特に町村議会議員からの電話も多いです。 自治体職員の感覚からすると、議員からの電話は課長以上で対応するもので、平職員が電話応対しようものなら政党経由でクレームを入れられるレベルの「無礼な対応」なのですが、本省では地方議員の…

業務62

「こちら側に非があるかどうかは置いといて、相手に不快な思いをさせたことをまずは謝る」のが、自治体の苦情対応のセオリーです。 初手で相手を宥めすかすことで、相手の心をほぐして和解しやすくする効果があるからです。 多くの自治体職員は、この手法が…

業務61

一般市民からの電話は、出向者だけで対応しきるのが大原則です。 いくら「お前では話にならない、上司を出せ」と怒鳴られたところで、「私が担当です」の一点張りで抗戦しなければいけません。 このように書くと、いかにも辛そうに感じられるかもしれません…

総括12

1月の勤務実績をまとめていきます。 先月までと比べると、格段に楽になりました。 ●業務内容 私のメイン担当業務が1月半ばで終了し、下半期からは早くも引継ぎモードに入っています。 紙や電子ファイルの整理や、各種引継ぎ資料の作成などが主な業務です。…

業務60

一般市民からの電話における職員側の目的は、相手にいち早く電話を切らせることです。 相手が納得して電話を切ってくれるのが最高の結末で、なかなか電話を切れずに長時間対応し続ける羽目に陥るのが最悪の結末です。 相手がブチギレて電話をガチャ切りする…