田舎地方公務員の省庁出向サバイバル日記

令和3年度(2021年)に某省へ1年間出向した田舎地方公務員の日記です

2021-09-01から1ヶ月間の記事一覧

自治体8

国が開催する「自治体向けの説明会」は、自治体側からすればありがたいものです。 説明会の中身が重要……というわけではなく、説明会と称して「半強制的に東京出張させられる」のが非常にありがたいのです。 役所の予算では、「旅費」は必要最低限しか認めら…

業務19

新型コロナウイルス感染症のせいで、大半の公務員は仕事が増えていると思います。 感染症対策やワクチン接種、各種給付金の担当部署のみならず、そのほかの部署でも、なんらかの形でコロナ対応要素が新たに加わっているでしょう。 一方、私の場合、コロナの…

在宅勤務11

最近はようやく涼しくなってきて、マスクに熱がこもって息苦しくなることも減りました。 ただやはり、マスクの紐のせいで耳が痛くなるのは、いつまでも慣れません。 在宅勤務最大のメリットは、マスクを着用せずに済むことだと思います。 9月に入り出勤日数…

出向者16

本省では、「出向者が1人潰れると、2人目、3人目……と続きがち」だとよく言われています。 出向者が潰れた場合、残された他の出向者で仕事を分担して回すことになります。 職員が潰れるのは、たいてい繁忙期です。 本省の繁忙期は、月残業時間が余裕で15…

出向者15

出向者着任のタイミングは、どの省でもだいたい4月か10月です。 ただし欠員補充の場合は、この原則とは関係なく、「準備が出来次第」着任しています。 各月の1日付けですらなく、月の途中にいきなり着任するのです。 欠員補充で着任した出向者は、通常の…

出向者14

出向者が潰れて欠員が出た場合、他の出向者が仕事を代替する形で応急処置をしつつ、本省の人事担当において欠員補充を行うようです。 前回も述べたとおり、プロパー職員と出向者の仕事は明確に分かれており、欠員が出た場合のような非常事態であっても、この…

出向者13

あまり考えたくないケースですが、激務や人間関係のために潰れてしまう(休職してしまう)出向者もいます。 潰れてしまった出向者は、復帰が不可能だと確定した時点で、出向元自治体に戻っていきます。 本省側は1名欠員状態になります。 この1名分の欠員を…

職位19

総合職と一般職とでは、課長補佐級に昇進する年齢に約10歳もの差が開きます。 そのため、課長補佐級での地方自治体出向は、総合職と一般職とで、キャリアにおける位置付けが異なります。 総合職の方の場合は、自治体出向は「今後のキャリア形成のため」の…

職位18

課長補佐時代は、地方自治体への出向も多いです。 本省職員が地方自治体に出向する場合、都道府県や政令市だと職位が1ランクアップ、政令市以外の市町村だと2ランクアップします。 例えば、本省課長補佐が都道府県に出向すれば「課長」ですし、市町村なら…

職位17

係長以下が「省を動かす歯車」であるのに対し、課長補佐は「霞が関全体を動かす歯車」なんだろうと考えています。 国会関係の業務や、他省庁とのやりとりは、よほど定型的なものを除いて基本的に課長補佐の判断を仰ぎます。 係長判断で完結するケースは稀で…

職位16

課長補佐の時代は、他省への出向も多いです。 「縦割り」というイメージが強い霞が関ですが、職員の人事交流はかなり盛んで、多くの課で「他省出向者のポスト」が設けられています。 課長補佐級で出向する場合、基本的に出向先省庁では「一人親方」として働…

職位15

国家総合職採用の方が課長補佐級に昇進すると、まずは「一人親方」課長補佐のポストを担当します。 いくつかの「一人親方」ポストを経て、30代中盤を過ぎたころから、「ラインの補佐」に異動する可能性が出てきます。 霞が関全体では「一人親方」ポストのほ…

職位14

本省の課長補佐のもう一つのタイプは、「一人親方」です。 管理職と実働部隊の「中継ぎ」ではなく、自らも実働部隊として作業をするポジションです。 基本的に部下はいません。 「一人親方」課長補佐が手がける業務は、ものすごく幅広いです。 データ収集や…

職位13

課長補佐には、大きく分けて2種類のタイプがあります。 ひとつは準管理職的なポジション、通称「ラインの補佐」です。 「ラインの補佐」の仕事は、係長以下の実務部隊と管理職の中継ぎです。 課長や省内の総括部署(官房〇〇課のようなところ)からの指示は…

職位12

国家一般職(旧国家2種)として採用された方の場合、本省で課長補佐を勤めるのはごく限られた一部の方だけです。 大半の方は、課長補佐級に昇進すると同時に、地方の出先機関に異動したり、外部の関係機関に出向したりして、本省から離れていきます。 出先…

職位11

国家総合職として採用された場合、係長級の期間は極めて短いです。 国家一般職の場合は係長級に少なくとも10年は留まるところ、国家総合職の場合はだいたい25歳から30歳手前くらいまで、最長でも5年程度でしょう。 係長級の期間が短いぶん、総合職の方は課長…

自治体7

自治体職員の場合、スケジュール管理は紙媒体(手帳か卓上カレンダー)で行うしかありません。 どれだけスマートフォンのカレンダーアプリが進化しようとも、ずーっと紙媒体でしょう。 なぜなら、自治体職員は役所内にいる間、スマートフォンを触れないから…

業務19

公務員の仕事において、スケジュール管理はとても重要です。 民間企業のような「ノルマ」が無い代わりに、「締切」が非常に重くのしかかってくるからです。 私が新人の頃は、よく「公務員の仕事は締切管理が5割」「きちんと締切を守れるようスケジュールを…

学歴4

突然ですが、「おなくら」という単語から何を想像しますか? 大半の方は「いやらしいお店の一形態」を想像すると思います。 つい先日、久々に出勤した際、管理職たちが職場内で、しかも定時内に堂々と「おなくら」を連呼していていました。 確かに男性比率の…

業務18

「役所は紙文化」とよく揶揄されていますが、少しづつペーパーレス対応も進んできています。 積極的に紙使用を廃止するまでには到達していないものの、「わざわざ紙で用意する必要がない」ものは、前例にこだわらずどんどん廃止しています。 私の担当する統…

業務17

自治体からの問合せは、ほぼ全て電話です。 今年度は在宅勤務している日が多く、電話だと応じられないこともありうるので、こちらから発出するメールには全て「質疑についてはメールでお願いします」と注記してあるのですが……それでも皆さん電話で質問してき…

業務16

私が担当している統計調査は、都道府県経由で市町村にも回答してもらっています。 都道府県の担当課が、市町村分の回答を中間集計して、私のもとへ回答するのです。 このような構造のため、私は基本的に市町村とは接点がありません。 市町村から回答方法の質…

業務15

私の担当業務には、歴代の担当者に連綿と引き継がれている「質疑応答記録」があります。 過去に自治体とやりとりした質疑応答の中身を、網羅的に記録してあるのです。 しかも出典付き(回答の根拠箇所、法令解説本だったり他の類似調査だったり)です。 これ…

業務14

私はとある統計調査を担当しており、今まさに各自治体に回答してもらっている最中です。 毎年ほとんど調査項目が変わらず、一年ごとの推移を追い掛けているような調査になります。 私にとっては「初めて」の調査なのですが、自治体担当者にとっては「いつも…

自治体6

このブログの読者の大部分は現役地方公務員だと思われますが、もしかしたら公務員以外の方もいるかもしれないので、ここで地方公務員の残業代支給事情について軽く触れておきます。 最初に断言します。 地方公務員はサービス残業しまくっています。 「現在の…

給与5

これまでの記事でも何度か触れていますが、在宅勤務日にも残業はあり得ます。 単純に仕事量が多くて忙しいケースはもちろんのこと、上司のチェック待ちでスタンバイさせらえる場合も結構あります。 私が気になるのは「在宅勤務日の残業代支給状況」です。 皆…

給与4

退職派遣職員の場合は、残業代は国が支給します。 国家公務員と同様の待遇です。 国家公務員といえば、地方自治体以上に残業代支給が渋いことで有名です。 私がよく聞く算出方法は、実際の残業時間を1/3に圧縮した上で、上限45時間分までしか支給されな…

給与3

地方公務員だと、「本省出向は大変だけど残業代でめっちゃ稼げる」という認識の方も多いでしょう。 確かに残業はたくさんありますし、(もちろん推奨はされませんが)仕事関係の本を読んだりして自発的に残業しても、自治体のように非難はされません。 その…

総括5

2021年8月の勤務実績をまとめていきます。 今月は3日しか出勤していません。ずーっと在宅勤務が続きました。 本当は第二週にがっつり夏期休暇を取得するつもりだったのですが、7月のイレギュラー対応のせいで平常業務が遅れてしまった結果、一日も休…

給与2

本省職員には、「本府省業務調整手当」という聞き慣れない手当があります。 ざっくりいうと、「本省の業務は大変だから」という理由で支給されるものです。 給料の「級」ごとに額が決まっており、2級まで(事務官クラス)なら8,800円です。 3級(主査・係…