田舎地方公務員の省庁出向サバイバル日記

令和3年度(2021年)に某省へ1年間出向した田舎地方公務員の日記です

2022-01-01から1年間の記事一覧

このブログについて

閲覧いただきありがとうございます。 このブログは、2021年4月から2022年3月にかけて某省庁に出向した一介の地方公務員の生活をあるがままにしたためたものです。 発見したこと、感じたこと、考えたこと等を、リアルタイムであるがままに書き残し…

総括15

まずは3月の勤務実績をまとめていきます。 ●業務内容 2月から引き続き、ひたすら国会関係の雑務を回しました。 あとは引継ぎ資料の準備くらいでしょうか。業務らしい業務はありません。 ●勤怠状況 平日の22営業日のうち、18日間出勤しました。 4日間…

総括14

私の出向生活も、残すところあと2日。 明日は最終記事として1年間の定量的なふりかえりをするつもりですが、それに先立ち、今回は定性的にふりかえっていきます。 運が良かった ちょうど一年前の今頃、私はとにかく不安でした。 「年間1,000時間超えの残業…

業務80

とうとう私の最後の仕事、後任者への引継ぎを終えました。 明らかに緊張している後任者の姿を見ると、一年前を思い出して懐かしくなります。 振り返ってみると、私の前任者の引継ぎは「かゆいところにに手が届かない」ものでした。 業務の一般的なルールだけ…

教訓27

4月から実際に本省出向する方の中で、「このブログが役に立った」と思う方がいたら、あなた自身も何らかの形で出向日記を発信してみてはいかがでしょうか? 地方公務員の本省出向体験談は、確実にニーズがあります。 このブログのような雑な文章でさえ、毎…

内々示5

3月の下旬に入り、私の自治体から電話で内々示をいただきました。 1週間ほど前に方面内示があり、「4月1日付けで本庁勤務」ということだけは聞いていたのですが、具体的な配属先を聞くのは、この機会が初めてです。 出向するまでの間、私はずっと庶務を…

教訓26

私の出向生活で何よりも悔やまれるのは、他の出向者との交流機会がほとんどなかった点です。 同じ課のメンバーはさすがにしっかり覚えましたが、隣の課になると顔と名前が全然一致しませんし、どこの自治体から出向してきたのかも知りません。 コロナ前は頻…

教訓25

霞ヶ関エリアはオフィス街のど真ん中にあり、周囲にはたくさんのサラリーマン向け飲食店があります。 日本屈指の商業エリアである銀座も近く、有名店もひしめいています。 私は出向前からランチをかなり楽しみにしており、出向期間中はガンガン開拓していく…

教訓24

今月に入ってから何度も書いてきていますが、非常に重要なことなのでまた触れます。 プロパー職員と出向者は別次元の存在です。 たとえ同い年であっても、出身地が同じでも、出身校が一緒でも、趣味が近くても……職場においては歴然たる差があります。 「同僚…

教訓23

休日を有意義に過ごすためには、気持ちの切り替えも重要です。 せっかくの土日なのに仕事のことが頭から離れないままだと、「やりたいこと」を実行するための気力が湧いてきませんし、実行できたとしても楽しみきれません。 オンからオフに気持ちを切り替え…

教訓22

昨日も紹介したとおり、東京生活中の「やりたいこと」を網羅的にリストアップしておくことで、休日を有意義に過ごせるはずだと思っています。 「今日は何をしようか」と考えるのが一番エネルギーを使います。 特に土曜日は平日の長時間労働のために疲弊して…

教訓21

正直なところ、本省出向を選択した地方公務員のほとんどは、本心では「本省で働きたい」わけではなく「東京生活を堪能したい」と思っていることでしょう。 私がまさにこのタイプであり、東京生活をするために、本省での長時間勤務という代償を受け入れたと言…

教訓20

本省の仕事はほとんどデスクワークです。 特に、出向者が担当するルーチンワークはパソコン作業が多く、プロパー職員と比べてもデスクワークが多いといえます。 つまり、出向期間中の長い長い労働時間は、ほとんど座って過ごすわけです。 そのため、肩や腰を…

教訓19

本省は完全に夜型組織です。 朝7:30からの打合せはほぼあり得ませんが、27:30からの打合せは十分ありまえます。 慢性的に長時間残業することもあり、体内時計が乱れがちです。 反対に自治体は朝方組織であり、出向者も朝方人間が多いと思います。 …

教訓18

田舎自治体から出向してきた方の中には、人生初めて電車通勤をする方もいるでしょう。 私もその一人です。 新型コロナウイルス感染症の流行により、都内大手企業ではテレワーク導入が進み、コロナ前と比べれば通勤ラッシュは随分マシになったという説もあり…

教訓17

「体調が悪くて休みたいけど、休ませてもらえない」という本省の過酷な労働環境の中で、プロパー職員の方々は戦っています。 むしろこの環境に耐えられた人だけが選抜されて本省に残っているともいえます。 プロパー職員の方々は、よく「睡眠よりも食事」と…

教訓16

出向期間中、最も注意を払うべきは、自分自身の健康です。 出向生活中は、非常に健康リスクが高いです。 労働時間が長くなるのみならず、生活環境がそもそも激変するため、これまでの「普段通り」とは全然異なる生活を強いられます。 そのため、若い方であっ…

教訓15

業務面に関していろいろと教訓を書き連ねてきましたが、あえて一言にまとめるならば、 「自分は脇役だ」という意識で行動せよ に尽きると思います。 本省においては、自治体からの出向者は脇役です。 原則1年(長くて2年)契約の有期雇用で、能力にバラツ…

教訓14

自治体勤務の場合、自分が異動するかどうかは、実際に内示されるまでわかりません。 そのため、引継ぎ資料は内示された後、つまり3月下旬に慌てて仕上げる羽目に陥ります。 一方、出向者が本省で働くのは、せいぜい2年です。 (割愛の場合は最長4年間居ら…

教訓13

本省の仕事は闇が深いです。 出向者が担当しているようなルーチンワークであっても、過去の経緯を調べていったり、細部を探っていったりすると、必ず「問題の種」が見つかります。 たかが1年しか関わっていない出向者ですら発見できるのですから、歴戦の強…

教訓12

本省の課長補佐以上のポジションの方々は、本当に忙しいです。 係長やプロパー事務官に指示を出して仕事を動かしつつ、自ら手足を動かして作業する、「プレイングマネージャー」という言葉が非常にしっくりくる働き方をしています。 国会議員や省内幹部から…

教訓11

本省は慢性的に人手不足であり、チェック体制があまり機能していません。 ゆえに今年の通常国会のように国会提出資料にミスが生じるわけです。 チェックする人員や回数を増やしたところで、チェック役がクタクタに疲れていることに変わりはありません。 むし…

教訓10

過去資料を漁っていると、肝心なことが記録されていなくて困るケースが多々発生します。 法令違反スレスレの例外的処理をしているのに経緯が残っていない 会議資料は残っているが議事録が無い 資料に使われている数字の算出過程がわからない 私が遭遇したの…

教訓9

出向者の仕事は、代々ずっと出向者が担当してきたものが多いです。 そのため、引継ぎの時間はほとんど取れません。 口頭での説明は不十分にならざるを得ませんし、OJTのように実際に手を動かして伝授してもらうことは到底不可能です。 出向者は誰しも、前任…

教訓8

前回紹介したとおり、本省では「疑問点は自分で調べて解消する、他人の力は借りない」のが原則です。 プロパー職員の場合は、この原則が徹底的に適用され、 ただし出向者の場合は、業務関係の共通ルールに関してだけは、この原則が例外的に適用されません。 …

教訓7

本省では、不明点は自分で調べて解決するのが基本です。 他者に質問するのは最後の手段であり、極力避けるべきです。 本省職員は皆忙しく、自分の仕事だけで精一杯です。 他人からの質問に構っている時間はありません。 さらに、本省の仕事はポストごとに代…

教訓6

プロパー事務官の方々があくせく働く姿は、正直痛ましいほどです。 業務内容も業務量も、自治体であれば30代後半の主査クラスが担当して然るべき仕事を、20代前半でこなさなければいけません。 しかも周囲は皆忙しく、頼る相手もいません。 「孤軍奮闘」とい…

教訓5

これまでも何度か触れてきているとおり、本省は出世のペースが早いです。 一般職採用であっても、20代のうちに係長になります。 出向者が多い職場であれば、出向者のマネジメントは事務官の仕事です。 出向者たちは、20代前半の一般職採用の事務官から指示を…

教訓4

出向者の中には、出向先省庁に関連する業務を自治体で経験している職員も少なくありません。 このようなタイプは往々にして、「自治体での経験」、いわば「現場感覚」を語りたがります。 制度を実際に運用している立場の実情を、制度を設計している本省職員…

教訓3

良好な職場内人間関係を築くために、出向者は愚痴を言うべきではないと思います。 特にプロパー職員に聞こえるところでは、決して口にしてはいけません。 これまで何度も触れてきているとおり、プロパー職員の業務は、出向者と比べ、量的にも質的にも段違い…