出向者12
退職派遣職員の給料は、出向を終えて自治体に戻ってからも、低水準状態が続きます。
自治体から国に出向する場合と同様、国から自治体に戻る場合も、「雇用主の変化」が生じます。
つまるところ「転職」と同じです。
事実上「もといた自治体に戻る」だけなのですが、あくまでも制度上は「職務経験者として採用される」のであり、新しい雇用関係が生じます。
給料も、元々の号級をもとに決めるのではなく、「地方公務員●年、国家公務員▲年の経験がある職務経験者」という観点で設定されます。
役所の場合、どんな華々しい職務経験を積んでいようとも、新卒で入庁した同年齢の職員と比べれば、どうしても号級が劣ります。
退職派遣職員の場合も同様です。例えば、大卒ストレート(22歳)で市役所に入庁し、
(a)10年間ずっと市役所勤務
(b)8年間の市役所勤務→2年間の退職派遣→市役所に復帰
という2人がいたとしたら、確実に(a)のほうが給料は上です。
つまり、出向しなかった場合よりも、給料が下がるのです。
同い年の同期入庁職員よりも、ほぼ確実に給料が下になるのです。
自治体によっては、不利にならないよう調整するところもあるのでしょうが、それでも調整には数年間を要し、その間は低い給料のまま耐えなければいけません。