教訓10
過去資料を漁っていると、肝心なことが記録されていなくて困るケースが多々発生します。
- 法令違反スレスレの例外的処理をしているのに経緯が残っていない
- 会議資料は残っているが議事録が無い
- 資料に使われている数字の算出過程がわからない
私が遭遇したのはこのあたりです。
特に3つ目の「算出過程不明の数字」には相当悩まされました。
プロパー職員のような人脈もなく、業務に関する基礎知識にも乏しい出向者が頼りにできるのは、過去の資料だけです。
どんなに些細なことであっても、逐一記録に残すようにしてください。
自分が仕事をしている当時は「当たり前」な事柄であっても、後世の人間からすれば窺い知れないものです。
たとえば今年度だと、複数の省庁で国会提出資料に誤りがあったことから、いつになく入念に書類のチェックをしましたが、こういう経緯は数年後には忘れ去られてしまうでしょう。
そして数年後の担当者が今年度の資料を見たとき、「どうしてこんなに多重チェックやったんだ?」と疑問に思うことでしょう。
私を困らせた「算出過程不明の数字」も、当時は間違えようのないオーソライズされた数字だったのでしょう。
しかし、時代が変われば常識も変わります。
明文化されていないものは、後から追いにくいものなのです。