田舎地方公務員の省庁出向サバイバル日記

令和3年度(2021年)に某省へ1年間出向した田舎地方公務員の日記です

内々示4

住民対応に嫌気が差していたことも、本省出向を後押ししました。

 

ちょうど去年の2月頃から、新型コロナウイルス関係の苦情電話が増えてきて、4月に全国的に緊急事態宣言が出た頃から一層増えて、電話回線がパンクすることも度々ありました。

 

5月からは特別定額給付金関係の電話も上乗せされ、部署問わず電話越しに怒声が聞こえてくる状態でした。

 

6月以降は、コロナ関係の電話というよりも、国政に対する不満全般をぶつけてくる電話が大半になり、ただひたすら罵倒されるだけの日々が続きました。

 

感染拡大が収まってくると、電話が減る代わりに直接窓口に来て居座るタイプのクレーマーが増えました。

 

2020年、ずっとこんな感じ。
正直疲れましたし、愛想が尽きました。

 

私はまだ実害を被っていないので、かなり無事なほうです。
職場近くに駐車場を借りている同僚は、何人も車に傷をつけられました。
自宅に怪文書(脅迫文一歩手前の不気味な手紙)が届いた職員も複数います。
職員に対する暴力事件もありました。

 

これからワクチン接種が始まります。
自治体に在籍していれば、どんな部署に勤務していようとも、動員からは逃れられません。
ワクチン接種の対象は住民全員です。
アンチ公務員・アンチ行政な方も大勢いるでしょうし、中には暴力的な方もいるでしょう。

 

2021年に自治体で働いていれば、ワクチン接種業務で暴言を吐かれて心に傷を負うのは確実、身体にも傷を負う可能性も高い……
つまり、「出向せずに自治体で働く」という選択肢にも、多大なリスクが控えていました。

 

出向すれば「多忙で潰れるかもしれない」、重大だけど不確実なリスク。
出向しなければ「ワクチン接種業務で心身に傷を負う」、損害規模は不確定ながら発生は確実なリスク。

 

両者を比較した結果、私は前者を選びました。