田舎地方公務員の省庁出向サバイバル日記

令和3年度(2021年)に某省へ1年間出向した田舎地方公務員の日記です

業務2

どうやら部署ごとに出向者の人数は例年ほぼ同一らしく、出向者が担当する業務も固定されています。

プロパー職員と出向者の間で担当業務が入れ替わるというケースはほとんど無いようです。

 

出向者の業務は出向者が引き継ぐことになるので、対面での引継ぎはごく限られて時間で済まさなければいけません。

自治体での業務引継ぎのように「分からないことがあったら都度前任者に聞きに行けばいいや」という気楽な態度は許されません。そもそも聞きに行けません。

 

このような事情があるためのなのか、引継ぎ資料はきちんと準備されていました。

私の業務の場合、だいたい60ページくらいあります。

過去の経緯や、各年度の雰囲気までも詳しく書き込まれていて、引継ぎ資料というよりも業務ログに近いものです。

 

前任者いわく、毎年発生するルーチン業務であれば、細かい手順まで網羅されているとのこと。

 

4月の上旬はこれをひたすら読んでいました。

 

自治体の業務引継ぎは、基本的に口承です。

資料は「口承の補助用」であり、トークに自信のある職員の中にはろくに資料を作らない人も結構います。

「説明力の足りない奴ほど引継ぎ資料を充実させる」とか言って、引継ぎ資料を作り込む職員を軽んじる風潮すらあります。

 

一方、本省の業務引継ぎは、口承ではなく文書がメインです。

 

口承と文書、どちらが優れているかは、ケースバイケースでしょう。

文書のほうが確実な手段ですが、文書だけだとニュアンスを読み違えて誤解してしまう危険があります。

 

ただし本省のように頻繁に人事異動が生じる環境下では、確実に文書のほうが優れていると思います。