田舎地方公務員の省庁出向サバイバル日記

令和3年度(2021年)に某省へ1年間出向した田舎地方公務員の日記です

教訓4

出向者の中には、出向先省庁に関連する業務を自治体で経験している職員も少なくありません。

このようなタイプは往々にして、「自治体での経験」、いわば「現場感覚」を語りたがります。

 

制度を実際に運用している立場の実情を、制度を設計している本省職員に伝えることで、よりよい制度設計を行なってもらおうという親切心から、このような語りをしたくなるのでしょう。

 

しかし、本省職員側は、しっかりと独自のネットワークを張り巡らせていて、現場の声を聞いています。

いちいち出向者から現場体験談を聞かなくとも、現場の事情をちゃんと承知しています。

むしろ、自治体の元担当者よりも、本省プロパー職員のほうが、制度運用の現場に詳しいです。

 

本省のプロパー職員は、全国の事例をあまねく収集しています。

一方、自治体の担当者レベルでは、全国の事例収集は難しいです。

あくまでも自分の自治体のケースというごく限られた実情しか知り得ません。

 

出向者の「経験談」は、本省では無価値です。

プロパー職員からすれば、聞くだけ時間の無駄です。

 

ゆえに、出向者は、経験談を語ってはいけません。

語りたくなる気持ちはわかりますが、口をつぐんでください。

やたらと経験談を語りたがる出向者は、周りの時間を奪う厄介者です。