田舎地方公務員の省庁出向サバイバル日記

令和3年度(2021年)に某省へ1年間出向した田舎地方公務員の日記です

自治体8

国が開催する「自治体向けの説明会」は、自治体側からすればありがたいものです。

説明会の中身が重要……というわけではなく、説明会と称して「半強制的に東京出張させられる」のが非常にありがたいのです。

 

役所の予算では、「旅費」は必要最低限しか認められません。

職員が「出張する必要がある」と考えている程度の重要性では到底認められず、

 

  1. 法令や規約上、必ず出張しなければいけない
  2. 権威ある外部機関(例えば国)から「来い」と指示されている
  3. 首長から直々に「出張せよ」と指示があった

 

このくらいの重みのある出張でなければ、旅費予算は認められません。

 

 

担当者説明会は上記の「2」に該当します。

自治体の各課の予算担当者は、こういった「出張が認められる事案」を可能な限り拡大解釈して、予算総額をかさ増しして予算要求します。

そして、余った旅費予算を、こっそりそのほかの出張に回すのです。

 

もし国の説明会が無くなってしまうと、自治体側としては旅費予算を確保する口実がなくなります。

つまり、国の説明会以外の出張もできなくなってしまうのです。

 

自治体の旅費予算は常に不足しており、職員はかなりの頻度で自腹出張しています。

私自身、横浜まで往復2泊、自腹で出張したことがあります。

 

市民は「公務員はもっと現場を見ろ」と注文をつけてきます。

 

しかし旅費予算が増えると怒ります。

「自腹出張」はまさに民主主義の総意です。悲しいですが……