出向者25
本省勤務のプロパー職員には高い能力が求められます。
公務員の能力というものは、本や研修で身につけられるものではなく、実務を通して養っていく類のものです。
つまり本省勤務とは、プロパー職員にとって、毎日が修行の場でもあります。
ひたむきに日々の業務をこなすことが修行となり、将来的に国を動かす人材へと完成していくのです。
本省業務の中でも、上司や他課とのやりとりは、公務員にとって非常に重要である「調整能力」を育める貴重な機会です。
面倒な仕事ではありますが、これをこなすことで、公務員として大いに成長できます。
重要な成長の機会だからこそ、出向者ではなくプロパー職員がキープしているのです。
むしろこれを出向者がやってしまうと、プロパー職員の貴重な成長の機会を「横取り」することになる。
出向者の役割は、プロパー職員の成長にはあまり資さない単純作業を代行すること。
プロパー職員を単純作業から解放し、思考・調整の余力を確保することが、出向者の役割なのです。