教訓6
プロパー事務官の方々があくせく働く姿は、正直痛ましいほどです。
業務内容も業務量も、自治体であれば30代後半の主査クラスが担当して然るべき仕事を、20代前半でこなさなければいけません。
しかも周囲は皆忙しく、頼る相手もいません。
「孤軍奮闘」という言葉がまさにぴったりです。
出向者の中には、プロパー事務官たちがあまりに辛そうなために、ついついお節介を焼いてしまう人もいますが、これは断じて許されざる行為です。
出向者的には「困っている後輩をサポートする」感覚なのかもしれませんが、たとえ年齢・社会人歴的に後輩であっても、出向者とプロパーの間には越えられない壁があります。
求められてもいないのに出向者がヘルプに入ろうとするのは、プロパー職員にとっては「お前が無能だから代行してやるよ」という傲慢な振る舞いにほかなりません。
プロパー事務官の方々は本当に優秀です。
地方公務員とはそもそもの出来も覚悟も違います。
大変な事務官時代を乗り越えることで成長を遂げていくのです。
出向者が迂闊にプロパーの仕事に手出ししようものなら、彼ら彼女らの成長機会を奪い、ひいては未来を奪うことになるのです。
それに何より、下手に出向者がプロパー事務官を手伝ってしまうと、後でそのプロパー事務官が上司から怒られます。
「出向者に仕事を押し付けるな」とか、「情けないぞ」とか。
善意のつもりで手伝ったのかもしれませんが、結果的に傷つけてしまいかねないのです。
プロパー事務官の方々がどれだけ大変そうでも、ヘルプを求められない限り、出向者は手を差し伸べてはいけません。