業務34
「マンデート」という霞が関用語……というか概念にも留意が必要です。
「マンデート」とは、簡単にいうと、「権限委譲されている状態」を指します。
「裁量がある状態」ともいえるでしょう。
例えば、
- 他課からの情報提供依頼は基本的に係長に確認してから返信するが、●●課に対しては担当事務官にマンデートされている
という場合、これは
- 他課からの情報提供依頼は基本的に係長に確認してから返信するが、●●課に対しては担当事務官に権限委譲されており、担当事務官の裁量で対応していい
という意味になります。
出向者は、係長からプロパー事務官へのマンデート事情に注意しなければいけません。
プロパー事務官にマンデートされた事柄に関しては、基本的にプロパー事務官限りで処理できるわけで、係長の耳には原則入らなくなるものだからです。
係長まで上げるかどうかは、権限委譲されたプロパー事務官に判断権限があります。
もし無遠慮に係長に報告・相談してしまうと、告げ口をするかのような事態になります。
係長としても戸惑いますし、何よりプロパー事務官が困ります。
自治体でいうと、課内決裁で完結するはずの事柄を、課長には何も言わずにこっそり部長に報告するようなものです。